日本酒はいつまで美味しく飲めるか知っていますか?日本酒は腐るのか、賞味期限や保存方法について現役利き酒師が詳しく解説します。美味しく飲める期間の目安、劣化した日本酒の見分け方や活用方法もあわせて紹介します。この記事を読んで、日本酒をもっと美味しく楽しんでください!
日本酒は腐るの?
古い日本酒を見つけたけど、飲めるのかラベルをみても賞味期限が書いていない!とお困りのあなた。
まず、「日本酒は腐るのか?」という疑問についてですが、日本酒は基本的に腐りません!
理由は、日本酒に含まれるアルコールが殺菌作用を持っているからです。
ただ、劣化して美味しくなくなる可能性はあります・・・。
未開封の日本酒は長期間保存しても腐る心配はありませんが、飲めるかどうかは以下の記事を読んで判断してくださいね。
私はよっぽどじゃなければ、飲みます。笑
日本酒に賞味期限はある?
日本酒のラベルをみると、製造年月は記載されていますが賞味期限は記載されていません。
独立行政法人国民生活センターによると、以下のように説明されています。
清酒(日本酒)は、酒の特性上、長期間の保存に耐え得るものであるため、食品表示法により、消費期限又は賞味期限の表示を省略できるとされています。その一方で、酒税法により、製造時期を表示することが定められています。
なお、古くなった清酒を飲んでも、健康上の問題が起きることはありませんが、おいしく飲めるかは疑問です。口に合わなくなった清酒は煮物などの料理に利用するのも良いでしょう。
https://www.kokusen.go.jp/t_box/data/t_box-faq_qa2015_34.html
日本酒は腐らないことは説明の通りですが、以下で説明する美味しくない目安を知っておけば安心です。
日本酒の腐敗と劣化の違いは?
腐らないからといって、いつまでも発売当時と同じ味を楽しめるわけではありません。
長期間保存すると、味や香りが変わることがあります。
良い変化は「熟成」、悪い変化は「劣化」といい、劣化してしまった日本酒は、風味が落ちて美味しく飲めなくなることもあります。
美味しく飲める期間
じゃあ、どれくらいの期間なら美味しく飲めるのか?を知りたいですよね。
まず日本酒は環境変化に弱い為、どんな場所に置いていたかチェックしましょう。
- 温度変化の激しい場所に置いていた
- 直射日光の当たる場所
上記の環境の場合、劣化している可能性が高くなります。
また、開封したお酒は変化するスピードが速いため、劣化する可能性が高いです。
目安としては2週間以内が理想で、できるだけ早めに飲み切りたいですね。
未開封の場合、約半年から1年程度を目安にするようメーカーは通達しています。
特に吟醸酒や生酒は繊細なため、製造から半年以内に飲むのが一番美味しいと言われています。
ただ、日本酒好きとして言わせてください・・・熟成して美味しくなる日本酒もあります!
本醸酒や純米酒、生酛や山廃という文字が書かれているお酒はその可能性が高くなります♪
熟成した日本酒は味の角が取れてまろやかになり、旨みと甘みを感じやすくなることも。
一度香りを確かめてみて、不快じゃなければ飲んでみるのもいいですよ。
もしかしたら、市場には出回っていないそのお酒の魅力を引き出しているかもしれません!
お店では出会えない味に進化してるかも・・・♪
劣化した日本酒の見分け方
劣化した日本酒はどうやって見分けるのか気になりますよね。
まず、色が変わっている場合。
透明の日本酒が黄色や茶色に変色していたり、濁っていたら劣化のサインです。(出荷時から黄金色に色づいている酒や熟成酒、にごり酒はこれに限りません。)
次に匂い。酸っぱい匂いや異臭がする場合も、劣化している可能性が高いです。
味も重要なポイント。苦味や酸味が強く感じられる場合は、風味が変わっている証拠です。
飲めないほどに劣化したお酒は、焦げたようなセメダインのような、誰がどう匂っても飲めない香りになっています。
利き酒師の勉強中に、劣化した日本酒の香りを嗅ぎましたが、間違えようがないくらい強烈でした・・・。
劣化臭は老香(ひねか)や日光臭(にっこうしゅう)とも呼ばれるよ。
熟成と劣化の違い
日本酒に含まれる糖分は、熟成によって褐色に色付きます。
その際に生成される香りはカラメルやナッツ、ドライフルーツのような芳醇な香りです。
いくつか香りを構成する成分があるのですが、いずれも蜜っぽさや香ばしさを伴うものですよ。
劣化した日本酒の活用方法
劣化した日本酒も、捨てるのはもったいないですよね。
そんなときは、料理酒として使うのがおすすめ!下処理や煮物、鍋料理に使うと、料理の旨味が増します。
また、ごはんを炊くときに少量加えると、ふっくらとした仕上がりになります。
さらには、お風呂に入れて日本酒風呂を楽しむ方法も。リラックス効果があり、お肌がすべすべになりますよ。
劣化しにくい日本酒の保存方法
日本酒の品質を保つためには、適切な保存方法が重要です。
私は日本酒セラーで保管していますよ。
そんなの自宅にないわ!
自宅でも保存しやすい方法をお伝えします!
冷暗所での保存
日本酒は直射日光や高温を避け、冷暗所で保存するのが基本です。
冷蔵庫で保存するのが最も安全ですが、新聞紙で包むか、化粧箱に入れて保存する方法も有効ですよ。
その際、温度変化の少ないところで保管してくださいね。
立てて保存する
日本酒を保存する際は、立てて保存することをおすすめします。
横にすると空気に触れる面積が広がり、酸化が進みやすくなるからです。
開封後であれば、小さな瓶に詰め替えるのもおすすめです。
まとめ
日本酒には明確な賞味期限はなく、腐ることもありません。
しかし、長期間保存すると劣化して風味が変わることがあります。
未開封なら半年から1年、開封後は2週間以内に飲み切るのが理想です。
劣化してしまった日本酒も、料理やお風呂で活用できます。
ぜひ、適切に保存して、美味しい日本酒を楽しんでくださいね。
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