奈良県の油長酒造が生み出す風の森は、そのフレッシュな風味と高い品質で大人気の日本酒です。
この記事では、風の森の特徴や歴史、代表的な銘柄、それぞれの味わいについて利き酒師が詳しく解説します!
また、風の森に合う料理やペアリングの方法も紹介しますので、風の森をより一層楽しむためのヒントが満載!
また現在、酒蔵を新設中で2024年秋には新たな醸造所が稼働するとのこと。
人気さにあぐらをかかず、どんどん進化していく蔵なんです!
風の森を実際に飲んだ感想を交えて、風の森の魅力を存分にお伝えしますね!
風の森とはどんな日本酒?
風の森は、奈良県にある油長酒造が作っている日本酒です。
油長酒造は江戸時代から続く老舗で、伝統を守りつつも新しい挑戦を続けています。
風の森は、その独自の風味と高品質から、多くの日本酒愛好者に愛されています。
風の森の製造方法と使用原料
風の森の製造には、特にこだわりがあります。
まず、使用される米は全て奈良県産、品質管理がしっかりされています。
主力商品に使用される米「秋津穂(あきつほ)」「露葉風(つゆばかぜ)」が全商品の75%を占めており、特に秋津穂は全量を契約農家に栽培してもらっているとのこと。
秋津穂は本来食べるための米(=飯米)ですが、風の森らしい透明感のあるお酒になるんですよ。
それに、醸造水には葛城山の地下水を使用しています。
この水は軟水で、お米から酒の旨みを引き出すのにぴったりなんです。
そして、発酵には昔ながらの「生酛(きもと)」という手間のかかる手法を使っています。
これは自然の乳酸菌を活用して酒を仕込む方法で、風の森の深い味わいと香りを生み出す秘訣となっているんですよ。
風の森の代表的な銘柄
風の森には、いくつかの代表的な銘柄があります。それぞれの特徴を見ていきましょう。
風の森 α(アルファ)シリーズ
- 「日本酒の可能性を追求するブランド」としてそれぞれにテーマがある
- フルーティーな香りと爽やかな味わいが特徴
- 軽やかな飲み心地で日本酒初心者にもおすすめ
- タイプ1~タイプ8まである(期間限定酒も有り)
風の森 秋津穂657
- 最もスタンダードなお酒。まずはここから
- 数字の意味は「精米歩合65%、7号酵母使用」。風の森の原点
- バランスが非常によく、透き通りながら旨みも感じられるお酒
風の森 507シリーズ
- お米を50%削り(大吟醸クラス)、華やかで特別な日にもぴったり
- 果実味を最大限に引き出し、口当たりは滑らかでとても飲みやすいお酒
風の森 807シリーズ
- お米を磨きすぎず(80%)、お米の個性を味わえる
- 日本酒の複雑みを感じられ、お米違いの飲み比べが特に楽しめる
風の森に共通する味わいと香りの特徴
風の森の味わいは全体的なバランスが良く、フルーティーな香りと米の旨みがしっかり感じられます。
特に、爽やかな酸味が特徴で、口当たりが滑らかなんです。
グラスに注いだ瞬間に広がるフルーツのような香りが楽しめるのもポイントですね。
風の森のペアリングと楽しみ方
風の森は、そのバランスの取れた味わいから、色んな料理と相性抜群です。
和食とのペアリング
- 刺身:特に白身魚の刺身とは相性抜群です。タイやヒラメなどの淡白な味わいが、風の森の爽やかな酸味とよく合います。
- 天ぷら:エビや野菜の天ぷらともぴったり。風の森のフルーティーな香りとプチプチとした発泡感が、天ぷらのサクサク感と相まって絶妙です。
- 焼き魚:サバの塩焼きやアジの干物などの香ばしい風味と相性がよく、柑橘の風味が後味を引き締めます。
洋食とのペアリング
- カルパッチョ:魚介のカルパッチョと風の森はベストマッチ。レモンやオリーブオイルの風味が、風の森の爽やかさを引き立てます。
- シーフードパスタ:エビやホタテの入ったクリーム系のパスタと合わせると、風の森の酸味がいいアクセントになります。
- チーズ:カマンベールやブリーチーズなどのクリーミーなチーズとも相性抜群です。
デザートとのペアリング
- フルーツ:特にリンゴやブドウなどのフルーツと一緒に楽しむと、風の森のフルーティーな香りがさらに引き立ちます。
- チーズケーキ:濃厚なチーズケーキに風の森を合わせると、デザートの甘さと酒の酸味が絶妙なハーモニーを奏でます。
冷やして飲むのが一般的ですが、ぬる燗にしても風味が増して美味しくいただけます。
ぜひ色んな楽しみ方を試してみてくださいね。
実際に風の森 秋津穂 特別栽培米を飲んだ感想
こちらは、契約農家である杉浦農園さんが、無農薬栽培でつくった秋津穂を100%使用した限定酒です。
地元の棚田の環境保全を目的に、田植えや草刈り、稲刈りなども手作業で行われています。
香り:フレッシュで甘さを含んでいる
香りはラムネのような、酸味と甘味を感じられる爽やかな香り!
大吟醸のように華やかで線の細い香りではなく、包み込むような優しい香りですねー。
THE 酒!といった主張は全くなく、奥行きと複雑みがありそう。
味わい:フルーティだけど飲みごたえあり
口に入れると、洋ナシやイチゴのような強くない酸味と甘みがふわーっと広がります。
そのすぐ後に、みかんのようなうっすら苦みを感じるので甘ったるくない。
ガス感が味わいを軽くしており、これは飲みすぎてしまいそう‥‥!
総評:万人受けするが、ゆっくり味わいたいお酒
優しい甘み、旨み、でも苦みや酸味も感じられて爽やかな飲み口で‥‥
これ、飲めない人いるでしょうか?(好みはあると思いますが。)
ただ、その飲みやすさ故にスルスル飲んでしまう可能性も。
口の中を流すにはもったいない!ゆっくりゆっくり味わいたい複雑みもあるお酒です。
落ち着いた音楽を聴いたり、本を読むように味の細部まで感じられたら最高ですよ。
油長酒造の歴史と伝統
油長酒造は、奈良県御所市にある酒蔵で、1719年に創業しました。
もともとは油をつくる製油業であり、油長という名称の由来になっています。
その歴史は350年以上もあり、代々受け継がれてきた伝統の技術と知識が風の森の品質を支えています。
風の森というブランドは1998年に誕生し、無濾過無加水で製造する生酒、ということで当時も大きな話題になりました。
油長酒造のこだわりと理念
油長酒造は、「自然の恵みを活かした酒造り」を理念としています。
製造過程でも環境への配慮を欠かさず、米農家とも適正価格で取引するなど、持続可能な酒造りを目指しています。
風の森の購入方法と基本情報
最後に、風の森の購入方法と基本情報について解説しますね。
風の森は、酒販店やオンラインショップで購入することができます。
また、油長酒造の公式ウェブサイトではお近くの取り扱い店舗を掲載していますよ。
価格帯は銘柄によって異なりますが、一般的には1,500円から3,000円程度、限定品や特別醸造品はそれ以上の価格になることもあります。
まとめ
風の森は奈良県の油長酒造が生み出す日本酒で、その独特の風味と高い品質から多くの人々に愛されています。
風の森は奈良県産の米と葛城山系の地下水を使用し、伝統的な製法で造られています。
風の森は刺身や天ぷら、シーフードパスタ、チーズなど様々な料理と相性が良く、食事を一層引き立てます。
風の森の魅力を知り、ぜひ一度味わってみてくださいね。
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